眼科病院やクリニック等で視機能の検査や斜視・弱視の視能矯正を行なう医療専門職「視能訓練士」。国家試験を合格した人のみがなれる専門職ですが、いま日本全国にはどれくらいの視能訓練士が存在するのでしょうか?
厚生労働省が発表している、令和5年版厚生労働省白書の『医療関係従事者数』の公式データより解説します。
視能訓練士は全国におよそ7,700人いる!
さっそく、日本全国にどれくらいの人数の視能訓練士がいるのかをお答えします。
冒頭でもご紹介しましたが、厚生労働省が発表している、令和5年版厚生労働省白書の『医療関係従事者数』が発表している情報によると、日本全国の視能訓練士は10,130.1名である、とされています。
つまり、おおよそで換算すると日本全国におよそ10,130人の視能訓練士がいるということですね。
ちなみに、毎年の国家試験合格者数はおよそ800名前後とされており、800名ほどの方が毎年新たに視能訓練士になっているのです。
※ 参照元:厚生労働省 令和5年版厚生労働省白書「2 保健医療」
新卒の視能訓練士について
もう少し、新卒の視能訓練士について情報を深掘ってみましょう。
少し前ではありますが、2021年3月の卒業生を対象とした新卒視能訓練士の就業調査状況のデータをもとに解説します。調査を行なったのは、視能訓練士需給計画委員会です。
データによると、2019年度の国家試験合格者数は801名、翌年2020年度は762名という結果になっています。
また、2020年度の男女比でみると、男性は103名・女性は647名と女性のほうが遥かに多い職種であることがわかります。
なお、視能訓練士の新卒の国家試験合格率は約91.1%と極めて高い数字であり、専門学校や四年生大学で実施されるカリキュラムに沿ってまっとうに受験対策をすれば、基本的には合格する試験と言えると思います。
※ 参照元:視能訓練士需給計画委員会「新卒視能訓練士就業調査状況調査 調査結果」
全国の医療関係従事者の中で視能訓練士の人数割合は?
最後に、そのほかの医療関係従事者の人数が全国でどれくらいいるのか。そして、医療関係従事者の全体から比べると視能訓練士は何割くらいいるのかをまとめてお伝えしたいと思います。
こちらも先ほどと同じく厚生労働省が発表している令和5年版厚生労働省白書「2 保健医療」のデータをもとに解説します。全国の医療関係従事者の人数は以下の通りです。
- 医師 = 323,700人
- 歯科医師 = 104,118人
- 薬剤師 = 250,585人
- 保健師 = 67,226人
- 助産師 = 41,608人
- 看護師 = 1,320,420人
- 准看護師 = 304,771人
- 理学療法士(PT)=100,964.5人
- 作業療法士(OT)= 51,055.7人
- 言語聴覚士 = 17,905.4人
- 義肢装具士 = 127.6人
- 診療放射線技師 = 55,624.3人
- 臨床検査技師 = 67,752.0人
- 臨床工学技士 = 30,408.9人
- 就業歯科衛生士 = 142,760人
- 就業歯科技工士 = 34,826人
- 就業あん摩マッサージ指圧師 = 118,103人
- 就業はり師 = 126,798人
- 就業きゅう師 = 124,956人
- 就業柔道整復師 = 75,786人
- 救急救命士 = 69,840人
少し数字の数が多く、目がチカチカしてしまいますが、厚生労働省が発表している情報によると令和5年の全国の医療関係従事者の数は上の通りになっています。
全医療関係従事者に対する視能訓練士の人数割合ですが、計算すると「0.29%」となります。
0.29%……日本全国には数多くの医療関係従事者の職種がありますが、0.29%という数字は決して多いとは言えないのではないでしょうか。医療関係従事者の中でも、視能訓練士はやや希少な職業と捉えてもいいのかもしれません。