病院など医療機関において視力や目に関わる検査や訓練を行う視能訓練士は、高齢化や眼科医療の発展、スマホやパソコンの普及による視力低下に伴い需要が高まっている職業です。
視能訓練士は国家資格になるため、手に職をつけるという意味でも人気があります。
視能訓練士にできるだけ早くなりたいという方のために、視能訓練士になれる最短の期間や、視能訓練士になるために必要なことについて分かりやすく解説していきます。
視能訓練士になれる最短の期間
できるだけ早く視能訓練士の資格を取得して働き始めたいという方も多いでしょう。
視能訓練士になれる最短の期間は、『1年』です。
ただし、この最短1年で視能訓練士になれるというのは、大学を卒業して社会人になった人が1年制の視能訓練士養成学校に通った場合です。
高校卒業後に視能訓練士を目指すのであれば、最短でも3年間学ぶ必要があります。視能訓練士には資格が必要ですが、臨床実習が必要になるので通信教育では視能訓練士になることが出来ません。
視能訓練士に必要な資格や学校とは
視能訓練士になるためには、ただ勉強して知識を得ればいいというわけではありません。視能訓練士に必要な資格や、視能訓練士になるための学校について見ていきましょう。
視能訓練士に必要な資格
視能訓練士は国家資格になるため、年に1度行われる国家試験を受けることで取得できます。
国家試験を受けるためには、指定されている視能訓練士養成機関での課程を修了していることや、外国の視能訓練士の学校を卒業していることが必要です。
試験は容易というわけではないものの、基本的には視能訓練士養成機関で学んだことが出題されます。比較的合格率は高いため、養成機関でしっかりと学んでいれば合格は狙いやすいと言えるでしょう。
しかも、視能訓練士の資格には有効期限がないため、合格すれば一生、視能訓練士として働くことができるというメリットがあります。
視能訓練士の学校について
視能訓練士の学校については、高卒者と大卒者に分けることができます。高校卒業後に視能訓練士を目指す場合には、指定の視能訓練士養成施設にて3年以上学ぶ必要があります。
視能訓練士養成施設には3年制の専門学校もあれば、4年制の大学もあります。
一方で、短大や大学、もしくは看護師や保育士の養成学校で指定科目を履修した後に視能訓練士を目指すのであれば、指定の視能訓練士養成施設で1年以上学ぶ必要があります。
社会人になってから視能訓練士を目指すには
学校を卒業して社会人になったものの、視能訓練士を途中から目指すという方も多いでしょう。やはり資格のある仕事は需要もありますし、安定的な印象もあります。
もし社会人になってから視能訓練士を目指したいと考えた場合、どのようにすればいいのでしょうか?
社会人になってから視能訓練士になる方法
社会人になってから視能訓練士になるためには、視能訓練士の養成学校に通う必要があります。
ただし、誰でも視能訓練士養成学校に通えるわけではありません。大学や短大、看護・保育の養成学校を卒業しており、指定科目を履修している必要があります。
指定科目は次のものが挙げられます。
- 必須科目:外国語、生物学、物理学、数学、心理学、保健体育
- 選択2科目:保育、社会福祉、教育学、倫理学、精神衛生
視能訓練士養成学校に通い、課程を修了すれば視能訓練士になるための国家資格を受けることができます。
視能訓練士養成学校について
社会人になってから視能訓練士になるために通うことになる視能訓練士養成学校は、1年制のものになります。
大学、短大、看護・保育の養成学校で指定科目を履修していれば必須の履修科目を既に習得しているとされるため、視能訓練士に必要な専門課程を1年で学ぶことができるのです。
1年制の視能訓練士養成学校は、土日祝や夜間などのコースがあるため仕事をしながらでも通うことは可能です。
ただし、臨床実習の授業に関しては平日に受講する必要があるため、仕事の調整が必要になってきます。
視能訓練士の1年目の推定給与額
視能訓練士の1年目の推定給与額は、年収約360万円です。大卒で約18~20万円の月給が相場となりますが、勤務先によって給与は異なってきます。
私立大学病院の勤務であれば給与は高額になる傾向がありますし、その次に公立大学病院の給与が高額になります。
また、実務経験が増えれば給与額も上がりますし、勤務先によっては勤務年数が長くなるほど年収が上がることから500万円の年収を超えるようなケースもあります。
まとめ
視能訓練士は社会人になってからでも一定の条件をクリアしていれば目指すことができ、早ければ1年という短さで資格を取得できます。
視能訓練士養成学校でしっかりと学べば国家試験の合格率は高いので難関というものではありませんし、一生資格を持って視能訓練士としての仕事をすることができます。
さらにIT化の進む現代で視力低下は進むことが予想されますし、そうなれば視能訓練士の需要はますます高まるでしょう。
夜間や土日コースなどを利用しながら、視能訓練士を目指してみてはいかがでしょうか?