年々増えている男性看護師ですが、職場によっては働きにくいと感じている人も少なくありません。
まずは男性看護師だからできる仕事を知り、活躍できる病院を探してみましょう。
ここでは男性看護師特有の仕事、活躍しやすい場所をまとめました。
少数派とはいえ男性看護師はあらゆる面で重宝される存在
男性看護師は年々増えてきているとはいえ、まだ1割以下しかいない少数派です。
平成28年の厚生労働省の報告によると、全国1,149,397人のうち男性看護師は84,193人と少ない状態となっております。
男性看護師には男性だからこそできることもあり、そういう点で重宝される貴重な存在です。
(1)女性では難しい力仕事を任せられる
看護師の仕事は点滴や注射、バイタルの測定だけではありません。
病棟看護師なら身体が不自由な患者さんをベッドから車いすへ、その逆もあります。
体位交換もハードな力仕事になります。
また、精神科では暴れてしまう患者を文字通り力ずくで抑える必要も出てきます。
その他手術の際も長期間の立ち仕事になる上に、重い医療機器を運ぶ雑用も体力がものを言いますので女性看護師にとってはキツイ仕事であることは間違いありません。
(2)女性看護師には言いづらいことを聞いてあげられる
看護師とはいえ、男性患者からすれば女性看護師は異性です。
仕事とは言っても男性患者には言いづらいお願いもあるものです。
例えば日常的なベッドから車いすへの移動をお願いするにしても、看護師に抱えられて移動するのですから、その気はなくても「セクハラと思われるのでは…」と余計な心配をしてしまいます。
それが男性看護師なら不安なくお願いできるでしょう。
男性看護師の需要は年々増え、将来性のある仕事と言える
近年は男性の看護師であっても抵抗を抱かれなくなっていることから、需要は年々増え、この10年で男性の正看護師は倍以上になっています。
男性看護師の割合が増えればさらに需要は高まっていくことでしょう。
・男性看護師の給料は高い
看護師は同年代のOLに比べて給料が高いのは周知の通りです。
これは男性看護師も同様であり、その額は同年代の男性の給料よりも上です。
29歳の男性で比較すれば、平成27年度の年収は一般職と比較して38万円も高くなります。
20代の看護師なら男女差はありませんが、男性看護師は管理職や専門性の高い看護師として活躍するケースも多く、将来的に見れば男性看護師のほうが収入は高くなっていくことでしょう。
男性看護師ゆえの悩み
(1)女性の患者さんに拒否される場合がある
女性は男性看護師に体を触られることに抵抗があります。
診療科によっても異なりますが、場合によっては「女性看護師を担当にしてもらいたい」と申し出る女性患者さんもいます。
(2)女性の中での人間関係
男性看護師は年々増えているとはいえ、看護師全体方見た男性看護師の割合は、いまだに1割以下です。
診療科によって自分以外は女性看護師と言うことも少なくありません。
女性はグループになることが多く、その中で仕事をするのは非常にやりづらいものです。
肩身の狭い思いをしてしまう可能性も考えられます。
(3)昇級しづらい
一般職では課長、係長と出世していくのですが、看護師ではなかなか難しいものです。
もちろん長期的に見れば看護師長などになれる可能性はありますが、それまではいち看護師として働くことになるでしょう。
働きやすい大学病院や総合病院のような大きい病院がオススメ
大きい病院なら男性看護師が働きやすい環境で、気兼ねなく働き続けられるでしょう。
(1)男性看護師がいない病院の割合が少ない
大きい病院には男性看護師が多く勤務しています。
もちろん女性看護師も多いですが、同性の看護師が働いていることはとても心強いでしょう。
(2)キャリアアップしやすい環境
大きい病院は頻繁に勉強会などを開催していますし、さまざまな重症患者の看護もすることになります。
小さな民間病院では扱わないような症例も体験できるので、看護師としてのスキルもアップすることでしょう。
(3)男性看護師のニーズが高い職場
診療科によっては男性看護師のニーズが高く、男性の割合が高いところもあります。
・手術室・ICU・緊急外来・救急外来
手術は長時間に及ぶこともあり、医師だけでなく看護師も同様です。
緊急性の高い場面はまさに戦場であり、体力面で勝っている男性のほうが求められます。
・男性専門外来
AGA(男性型脱毛症)やED(勃起不全)、包茎やペニスの悩みなど、男性特有の専門外来も増
えています。
そういった病院では患者は女性看護師だと恥ずかしくなるため、男性看護師のニーズは高くなります。
・性病科・泌尿器科
男性の悩みには性病もあります。
性病こそ女性看護師には知られたくないものですから、男性患者の気持ちを考えている病院では男性看護師を求めています。
【男性看護師が求められている職場に転職も】
同じ看護師という立場ではありますが、女性看護師よりも男性看護師が活躍できる病院や診療科があります。
もし今の職場が働きづらいなら、男性が求められている職場に転職を考えてみてもいいでしょう。
やりがいも感じられるでしょうし、なにより働きやすい環境になるので、充実した看護もできるはずです。