フレックスタイム制とはどんなもの?メリット・デメリットを解説

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フレックスタイム制とはどんなもの?メリット・デメリットを解説

社員が働きやすい環境を整えるために「フレックスタイム制」を導入する会社は少なくありません。転職サイトなどで、フレックスタイム制の求人を見る機会もたくさんあります。

しかし、自由な働き方というイメージはあるものの、詳しくは知らないという方も多いのではないでしょうか。

この記事では、フレックスタイム制とは何か、メリット・デメリットについて解説しています。自分に合った働き方を見つけるために、ぜひ参考にしてください。

柔軟な働き方を実現!フレックスタイム制とは

柔軟な働き方を実現!フレックスタイム制とは

最初にフレックスタイム制がどのような制度なのか解説します。さらに混同されやすい「裁量労働制」と「変形労働時間制」についても説明します。

(1)フレックスタイム制とは

フレックスタイム制とは、3カ月以内の一定期間の総労働時間をあらかじめ決め、従業員がその範囲内で、毎日の始業時刻・終業時刻・労働時間を自由に決められる制度です。

労働時間を柔軟に調整できるため、ワークライフバランスや生産性の向上を目的に導入されています。

例えば、1カ月に働く時間が150時間と決まっている場合、1日9時間働く日や4時間で終業する日があっても、1カ月の総労働時間が150時間であれば問題ありません。

ただし、1日のなかで必ず出勤が必要な「コアタイム」という時間帯が設けられている場合もあります。例えば13時から16時がコアタイムである場合、その時間帯は必ず出勤する必要があります。

コアタイムの前後数時間にあたる「フレキシブルタイム」の時間内であれば、自由に出退勤できますが、13時を過ぎて出社した場合は遅刻扱いに、16時よりも早く退勤した場合は早退扱いになります。

コアタイムを設ける理由は、1日のなかで社員全員が必ず揃う時間を設けることで、社員同士のコミュニケーションや情報共有をスムーズにする、ミーティングや取引先との商談スケジュールを立てやすくするといったものです。

コアタイムの長さや時間は、会社によってさまざまです。

会社によっては、より自由な働き方を推進するために、コアタイムを設けずに全ての労働時間をフレキシブルタイムにしている場合もあります。「スーパーフレックス制」「フルフレックスタイム制」と呼ばれ、始業時刻・終業時刻・労働時間を完全に労働者の裁量に任せています。

(2)裁量労働制・変形労働時間制とは

フレックスタイム制とよく比べられる裁量労働制・変形労働時間制について解説します。

・裁量労働制
裁量労働制とは「みなし労働時間制」はとも呼ばれ、その日の実際の労働時間にかかわらず、あらかじめ取り決めた時間分を勤務したとみなす制度のことです。

例えば、研究・開発職や企画職などは、労働時間だけでは仕事の成果を測りきれない場合が少なくありません。裁量労働制を導入することで、従業員が柔軟に働け、勤怠管理もしやすくなります。

フレックスタイム制よりもさらに自由度が高い働き方ですが、適用できる職種は研究開発者・システムエンジニア・プログラマー・経営部門の企画職などに限られています。

・変形労働時間制
変形労働時間制とは、労働時間を月・年単位で調整し、繁忙期などの時期に合った働き方ができる制度です。例えば、繁忙期は1日9時間、閑散期は1日6時間働くといった勤務の仕方をします。

労働時間は「1日8時間、1週40時間」と定められており、勤務時間が超過した場合は残業とみなされます。しかし、変形労働時間制であれば、決められた期間内での労働時間の範囲内であれば残業とはみなされません。

フレックス制とは異なり、労働時間の決定権は会社側にあります。

ワークライフバランスが向上!フレックスタイム制で働くメリットとは

ワークライフバランスが向上!フレックスタイム制で働くメリットとは

フレックスタイム制を導入している職場での勤務には、多くのメリットがあります。代表的なものを3つ紹介します。

(1)ワークライフバランスが取りやすい

フレックスタイム制で働く最大のメリットは、ワークライフバランスが取りやすい点です。

出勤時間を調整することで、保育園への送り迎えや介護などに対応しやすくなります。出産などによってライフスタイルが変わっても、無理なく仕事を続けられるでしょう。

平日の昼間にしかできない役所・銀行関連の手続きや通院といった、これまで有給休暇を取って済まさなければならなかった用事を、フレキシブルタイムで済ますこともできます。

また、習い事・趣味・資格スクールをはじめとする自己研鑽のための時間を取りやすく、プライベートを充実させられる点も魅力です。

(2)勤務時間を効率的に使える

仕事量は時期・日によって波があります。フレックスタイム制であれば、仕事が少ない日は早く退社し、繁忙期には長く働くといったように、仕事の状況に合わせて効率的に労働時間を配分できます。その結果、残業が減りゆとりを持って働けるようになります。

時間の使い方にメリハリをつけるよう意識することで、タイムマネジメント能力が高まり、トータルの業務時間の削減につながるでしょう。

(3)通勤ラッシュを避けられる

特に都市部では通勤ラッシュが激しく、出社・退社だけで疲れてしまうケースが少なくありません。フレックスタイム制であれば、混雑する時間を避けて通勤できるので、疲労を軽減できます。

社内コミュニケーションに苦労?フレックスタイム制で働くデメリットとは

社内コミュニケーションに苦労?フレックスタイム制で働くデメリットとは

ワークライフバランスの向上など多くのメリットがあるフレックスタイム制ですが、気をつけるべきデメリットもあります。

(1)社内コミュニケーションが取りにくい

メンバーが常に同じ時間に働いていれば、コミュニケーションが取りやすく、すぐに必要事項の共有・フィードバックなどができます。

フレックスタイム制の場合は、情報伝達のタイムラグが発生し、わからないことがあってもすぐに確認できない・上司の意思決定を待っている間は仕事が止まってしまうといった問題が起こります。

また、職場にいる時間がばらばらのため対面ではなく、チャット・メールでのやり取りが増えるため、文章による理解・説明が苦手な人は苦労するかもしれません。

(2)自己管理能力が必要である

フレックスタイム制は、労働時間の自由度が高い分、一人ひとりのスケジュール管理が問われる働き方です。特に仕事量の多い職場では、管理が上手くいかないと、残業が多く発生する・業務が期日に間に合わないといったリスクがあります。

自主的に仕事を進めることが苦手な人は、ついさぼってしまい、生産性が低下するかもしれません。

フレックスタイム制の職場への転職に成功する方法とは

フレックスタイム制の職場への転職に成功する方法とは

フレックスタイム制の職場への転職を希望する場合は、メリット・デメリットを考慮して、自分にマッチした働き方か見極めるのをおすすめします。なかには転職後に「仕事がしにくい」と悩むケースもあります。

入社後のギャップを防ぐために、どのように運用しているのかを確認しましょう。フレックスタイムを導入していても、他のメンバーや取引先との兼ね合いで上手く機能していない可能性もあります。

フレックスタイム制の職場は人気が高い傾向があるため、選考対策は非常に重要です。自分のスキル・経験の転職先での活かし方など、内容をしっかり練るようにしましょう。転職エージェントを活用し、応募書類の添削や面接練習などの選考対策をしてもらうのもおすすめです。

まとめ

まとめ

フレックスタイム制は、従業員が自分の裁量でその日の始業時刻・終業時刻・労働時間を決められる制度です。コアタイムが定められている場合は、その時間帯は必ず出勤しなければいけません。

フレックスタイム制で働く主なメリットは、ワークライフバランスが取りやすい・勤務時間を効率的に使える・通勤ラッシュを避けられる3点です。

ただし、社内コミュニケーションが取りにくい・自己管理能力が必要であるといったデメリットがあります。

フレックスタイム制を導入している職場への転職に成功するには、自分とマッチした働き方か見極める・職場での実情を知る・選考対策をする3点が重要です。

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