転職活動には、転職サイトや採用ページからの応募などさまざまな方法があります。なかでも、近年注目されているのが人材紹介会社です。
しかし、人材紹介会社の仕組みや種類、選び方がわからず、登録していない方も多いのではないでしょうか？この記事では、初めて人材紹介会社を使う方向けに、人材紹介会社とは何かを詳しく解説します。
人材紹介会社とはどんなサービスをしている会社？詳しく解説
人材紹介会社とは何か、人材派遣会社との違いも含めてご紹介します。
（1）人材紹介会社の概要
人材紹介会社は「転職エージェント」とも呼ばれ、求職者と企業・組織をマッチングするサービスを提供する会社です。医療業界においても、医療従事者や医療機器営業、MRなど幅広い職種の求人で人材紹介会社が活用されています。
・求職者向けサポート
「キャリアカウンセラー」が求職者から希望・スキル・経験などをヒアリングして、条件にマッチした求人を紹介します。また、キャリアの相談・キャリアプランの作成・選考対策・応募先とのやり取りや雇用条件の交渉の代行などの支援もします。
・企業向けサービス
法人営業担当が、人材を探している企業に、採用課題をヒアリングし、スキル・経験・人柄など求める条件や採用計画、採用後の人材育成などのすり合わせをし、解決策を提案します。
多くの場合、人材紹介会社のサービスは成功報酬型で、求職者の入社が決まった時点で、企業から報酬を受け取る仕組みです。そのため、求職者は無料で求人紹介やサポートを受けられます。
（2）人材派遣会社との違い
人材派遣会社は、人材を必要とする企業にスキル・経験がマッチするスタッフを派遣するサービスを提供する企業です。
派遣スタッフは、人材派遣会社と雇用契約を結び、就業先の指揮命令のもと業務に取り組みます。人材派遣会社は、派遣スタッフが就業先でスムーズに業務ができるようサポートします。
就業時間など、人材派遣に関するルールは、労働者派遣法で厳しく定められており、派遣会社も就業先企業も遵守しなければいけません。また、給与の支払いや社会保険関係の手続きは全て派遣会社が行います。
求職者と企業をつなぐという意味では、人材紹介会社と人材派遣会社はよく似たサービスを提供する企業です。しかし、人材紹介会社は、求職者と雇用関係を結びません。サポート範囲も人材の紹介から入社までです。
人材紹介会社の種類って？紹介スタイルや取り扱う分野に別に解説
人材紹介会社は、紹介スタイルや取り扱う求人の種類によって分類されます。自分の希望やスキル、経験などに合わせて選ぶようにしましょう。
（1）紹介スタイルによる分類
人材紹介会社は、紹介スタイルによって大きく3種類にわけられます。
・一般登録型・一般紹介型
人材紹介会社で最も一般的なスタイルです。求職者があらかじめスキルや経験を登録し、人材紹介会社がマッチする求人を紹介してもらい、応募するという流れです。
・サーチ型
「ヘッドハンティング」とも呼ばれ、管理職や経営層など採用難易度の高い人材を探す場合に適しています。企業が求める人材の経験やスキルなどを細かく指定し、人材紹介会社がマッチする人材を探し出しスカウトします。一般型と比べ、報酬が高い場合がほとんどです。
・再就職支援型
勤務先の倒産やリストラによって、一度にある企業の多くの人材が仕事を失った場合に利用される方法で、アウトプレースメントとも呼ばれます。解雇する人員を再就職につなぐためのサービスで、採用側の企業がコストをおさえて人材を獲得できます。
（2）取り扱う求人の種類による分類
人材紹介会社は取り扱う求人の種類によって、「総合型」「特化型」にわかれます。
・総合型
総合型は、業界や職種、エリアなどを限定せずに、幅広い求人を取り扱う人材紹介会社のことです。大規模な会社が多く、特化型と比べてトータルの求人数は圧倒的に大きいのが特徴です。業界大手の会社がほとんどなので、キャリアアドバイザーの質が高い傾向にあります。様々な業界・業種を比較できるのもメリットです。
・特化型
特定の業界、職種の求人に特化した人材紹介会社です。医療業界は専門性が高いため、医療業界を専門とする特化型の人材紹介会社も少なくありません。
また、特定の年齢や性別・外資系企業・スタートアップ企業などにターゲットを絞った特化型の人材紹介会社もあります。
業界出身のキャリアアドバイザーが在籍している場合が多く、企業との関係が深いのが特徴です。総合型の転職エージェントにはない求人を持っている、外からは分からない業界や企業の情報を提供できる、企業に合わせた選考対策ができるといった強みがあります。
求人紹介以外のサービスも充実！人材紹介会社を利用するメリットとは
人材紹介会社には、転職サイトなど他の転職方法にはないメリットが多数あります。代表的なものを紹介します。
（1）自分では見つけられない求人を紹介してもらえる
人材紹介会社は、一般の転職サイトには掲載されていない「非公開求人」や自社だけが取り扱っている「非公開求人」を持っており、自力で見つけられない求人を紹介してもらえる可能性があります。
また、プロの目線から、本人も気が付かないマッチする求人を見つけてくれる場合も多く、選択肢が大きく広がります。
（2）選考対策をしてもらえる
内定を獲得するためには、応募書類や面接の受け答えを通してスキル・経験・志望動機をしっかり応募先にアピールする必要があります。
しかし、自分の応募書類や受け答えを客観的に見るのは難しく、選考に落ちても改善の仕方が分からない場合も少なくありません。
キャリアアドバイザーによる的確なアドバイスを受けることで、内定獲得の可能性を上げられます。
（3）自分に合った転職先を選べる
人材紹介会社では、キャリアカウンセリングやキャリアプランの作成を支援しています。キャリアアドバイザーのサポートを受けながら、キャリアの棚卸しをしたり長期的なキャリアを考えたりすることで、転職先に求める条件が明確化し、よりマッチする転職先を見極められます。
さらに社風や人間関係、残業時間、産休・育休の取得率など、求人からは分からない情報も共有してもらえる場合が多く、ミスマッチを防げます。
転職するなら知っておきたい！人材紹介会社の選び方とは
人材紹介会社を選ぶ際は、1社に絞らずに複数社登録するようにしましょう。1つだけしか登録していないと自分に合わなかった場合、また人材紹介会社探しから始めなければならず、効率が悪いからです。
複数社を並行して利用し、紹介される求人の質が高く、キャリアアドバイザーのサポートが的確な会社をメインに使うようにしましょう。
総合型の人材紹介会社を2～3社、特化型の人材紹介会社を1～3社登録すると、総合型と特化型それぞれのメリットを活かせます。
特に医療業界のような専門性の高い業界は、一般的な人材紹介会社では求人していない企業・職種もあるので、特化型の人材紹介会社にも登録するのをおすすめします。
転職活動をスムーズに進められるかは、キャリアアドバイザーの質に大きく左右されます。親身に話を聞いてくれるか・紹介する求人やアドバイスが的確か・レスポンスの頻度が適切かをチェックして、合わない場合は人材紹介会社に相談して担当を変えてもらうか、別の人材紹介会社に切り替えましょう。
まとめ
人材紹介会社では、求職者と企業をマッチングして紹介するサービスを提供しています。人材紹介会社を取り扱う求人の種類で分けると、幅広い分野の求人を紹介する総合型と領域を絞った特化型があります。
総合型のメリットは、求人数が多く、キャリアアドバイザーの質が高い点です。特化型は、企業とのつながりが深いため、総合型にはない求人を持っている、企業に合った選考対策ができるといった特徴があります。
人材紹介会社を利用することで、応募先の選択肢が広がる・選考対策を受けられる・自分に合った転職先を見極められるなど多くのメリットがあります。
総合型の人材紹介会社と特化型の人材紹介どちらも登録し、両方のメリットを活かすのをおすすめします。
転職サイトを使って自分で求人を探すのであれば、医療業界専門のサイトが効率的です。医療業界を専門としているだけあって、一般的な転職サイトにはない専門性の高い求人や厚待遇の求人を見つけられるかもしれません。