医療業界で働く人のなかには、「仕事は好きだけど、体力的に厳しい」「子育てと両立できるか不安」といった悩みを抱えている人が少なくありません。
医療業界は激務のイメージがありますが、働き方改革が進んでおり、職場によってはワークライフバランスを保ちながら働けます。
転職によって理想のワークライフバランスを実現するためには、職場選びや面接対策が重要です。知っておきたいポイントをまとめましたので、ぜひ参考にしてください。
やっぱり激務？医療業界のワークライフバランスの実態とは
医療業 界は、ワークライフバランスが取りにくい業界の代表格だと考えられています。実際に、医師や看護師などの医療従事者やMR・医療機器メーカーの営業など医療現場に関連する職種は、長時間にわたる残業や休日出勤が珍しくありません。
しかし、多くの業界で働き方改革が進んでいるのと同じように、医療業界でもワークライフバランスを重要視する勤務先が増えてきています。
少子高齢化が進むにつれ、医療サービスを必要とする人が増え、人材不足が深刻化しているため、ワークライフバランスを整えて、人材を確保する必要が大きくなっているためです。
2024年4月には、医師の長時間労働の常態化を解消するために、医師の残業規制がスタートする予定です。
一般的な職業と同じく原則的には月45時間・年間360時間を上限としつつ、労使合意がある場合は、月100時間未満・年960時間。地域医療体制の確保や研修医の技能向上など必要がある場合は、月100時間未満・年1860時間が上限になります。
医療従事者のなかでもハードワークである医師の働き方改革が進むことで、医療現場はもちろん、MRや医療機器メーカーなどの激務も解消されるかもしれません。
また、近年はMRの商談など業務の一部リモート化や電子カルテなどのデジタル化によって業務効率が向上するケースが増え、その結果ワークライフバランスが改善しつつあります。
医療業界で転職活動する方へ！ワークライフバランスの取れた職場の選び方
同じ医療業界でも、ワークライフバランスが取りやすい職場と、そうではない職場があります。転職はワークライフバランスを改善する効果的な方法のひとつです。
しかし、転職先選びに失敗すると思い描いていたワークライフバランスが実現できず、後悔するかもしれません。押さえておきたいポイントを解説します。
1.理想のワークライフバランスをはっきりさせる
理想のワークライフバランスは人それぞれです。「家族がいるから土日は休みたい」「休日は少なくてもいいので残業はなるべくしたくない」等、いろいろなパターンがあります。
また、「育児中は時短勤務をして無理なく働き続けたい」「日によってはリモートワークをしたい」といったように、ライフスタイルや希望に合わせて働き方をコントロールしたいタイプの人もいるでしょう。
今の職場での不満な点やどんな制度が必要なのか、残業はどれくらいまで許容できるのかなど、具体的に検討することで転職先の条件がはっきりし、理想のワークライフバランスを実現しやすくなります。
2.求人の制度や福利厚生をチェックする
育児休暇・介護休暇・時短勤務など生活環境の変化に対応できる企業や、リモートワーク・フレックス制・1時間単位の有給休暇などフレキシブルな働き方ができる企業は、ワークライフバランスが取りやすい傾向にあります。
また、ライフスタイルの変化に伴い必要な制度や福利厚生は変わってきます。今の働きやすさだけではなく、子育てや親の介護が始まった時に無理なく続けられる環境かどうかもチェックすることが重要です。
3.残業時間・休日出勤がどれくらいかをチェックする
求人情報に、ひと月あたりの残業時間や休日出勤数の目安が記載されているケースが多いので、必ずチェックするようにしましょう。
転職先の口コミに、残業や休日出勤の多さが書き込まれているケースもあるので、合わせてチェックするのをおすすめします。口コミはその人の主観なので、必ずしも正しいわけではありませんが、転職先の現状を知るヒントになります。
4.転職エージェントを活用する
「求人情報に残業時間が書いていない」「制度自体は充実しているものの利用実績がわからない」など、ライフワークバランスがどのくらい取れるのか、求人情報だけでは判断できないケースも少なくありません。
応募前に問い合わせたり面接時に質問したりすることもできますが、質問の仕方によっては「条件ばかりにこだわっている」といった印象を与えてしまう可能性があります。そんな時には、転職エージェントを通すことで、角を立てずに確認できます。
また、プロのキャリアアドバイザーに理想のワークライフバランスを伝え、自分に合った求人を紹介してもらうのも効果的です。
多くの求人から自分で条件にマッチしたものを探し出すのは大変ですし、隠れた優良求人を見落としてしまうケースもあります。
また、キャリアカウンセリングを通して、理想のワークライフバランスのために必要な条件を洗い出せるため、希望に合った転職先を見極めやすくなります。
転職エージェントを活用する際は、医療業界専門のサービスがおすすめです。医療業界とのつながりが深いため、ワークライフバランスが取りやすい求人を持っている可能性が高いからです。
また、応募先の事情に精通しているため、残業・休日出勤の多さや福利厚生・制度の充実度、育児休暇・介護休暇・時短勤務などが利用しやすい雰囲気かどうかなど、より詳しく知ることができ、ミスマッチを防げるでしょう。
理想のワークライフバランスを実現するために！面接での注意点
ワークライフバランスを重視した転職活動では、面接時に下記の2点に注意しましょう。
1.「仕事への意欲が低い」と誤解されないようにする
面接の受け答えで、ワークライフバランスを重視する気持ちが前面に出すぎてしまうと、「プライベート優先で意欲が低い」と誤解され、選考で不利になってしまう可能性があります。
もちろん、家庭の事情でどうしても残業が難しい場合など、希望を伝えることは問題ありません。その代わり「残業ができない分、効率的に仕事を進めるよう心がけます」など、仕事への意欲もしっかり伝えるようにしましょう。
また、ある程度残業できる場合は「○○時までしたら対応できます」「繁忙期はなるべく家の予定を調整します」など、できる範囲で職場に貢献する意思を伝えると好印象です。
ワークライフバランスへの考え方は、その人のライフスタイルや価値観によって異なります。誤解を招かないよう表現に気をつけて、丁寧に説明しましょう。
2.不明な点は確認する
応募先のサイトに、残業時間や休日出勤数のデータが掲載されていたとしても、部署やチームによって状況が異なる可能性があります。
採用後のミスマッチを防ぐために、面接時に確認しておくと安心です。
ただし、ワークライフバランスや制度、福利厚生についてばかり質問すると、「条件しか見ていない」と捉えられ、評価が下がる可能性があります。
場合によっては、「1日のスケジュールを教えてください」と質問しておおよその残業時間を把握するなど、質問を工夫すると良いでしょう。
もし、ワークライフバランスの説明の仕方が分からない、面接時に不明な点を上手く確認できる自信がないという場合は、転職エージェントに相談するとスムーズです。
まとめ
医療業界でワークライフバランスの取れた働き方を実現するには、転職するのも方法の一つです。
理想のワークライフバランスを叶えるためには、自分の求める条件を明確化する・求人の制度や福利厚生をチェックする・残業時間や休日出勤がどれくらいかをチェックする・転職エージェントを活用するといった方法が効果的です。
面接時には、仕事よりもプライベートを優先しているという印象を与えないようにする残業時間など不明点はしっかり確認するの2点を意識しましょう。
ワークライフバランスの取りやすい転職先探しには、医療業界に特化した求人サイトがおすすめです。一般のサイトと比べて医療系の求人が豊富である分、希望とマッチする案件が見つかりやすいというメリットがあります。