医療メディエーターになるには?看護師のキャリアアップ選択肢

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医療現場で働く看護師の方々にとって、キャリアアップは重要な関心事の一つです。
専門性を高め、よりやりがいのある仕事に就きたいと考える方も多いのではないでしょうか。
そんな中、近年注目されているのが「医療メディエーター」という役割です。
患者と医療機関の間に立って、円滑なコミュニケーションを支援するこの仕事は、看護師の経験やスキルを活かせる魅力的な選択肢と言えるでしょう。
今回は、医療メディエーターになるための具体的なステップや必要なスキル、そして将来性についてご紹介します。

医療メディエーターになるには?

医療メディエーターとは何か・役割と仕事内容

医療メディエーターは、医療現場における紛争解決の専門家です。
患者と医療機関(医師、看護師、病院など)との間に生じたトラブルや意見の食い違いを解決するために、中立的な立場で両者の対話を促進し、合意形成を支援する役割を担います。
具体的には、医療事故や治療に関する不満、医療費に関するトラブルなど、様々な問題に対応します。

医療メディエーターは、問題解決のための専門的な知識やスキルを持つだけでなく、優れたコミュニケーション能力や共感力、倫理観も必要とされます。
決して一方の言い分だけを聞くのではなく、双方の話を丁寧に聞き、それぞれの立場や感情を理解した上で、話し合いの場を設け、建設的な解決に向けて導きます。
解決策を提示するのではなく、当事者同士が自ら問題を解決できるよう支援することが重要です。

医療メディエーターになるためのステップ

医療メディエーターになるための国家資格はありません。
しかし、専門的な知識とスキルを習得するために、日本医療メディエーター協会(JAHM)などの機関が提供する研修プログラムを受講することが一般的です。
JAHMでは、医療機関職員を対象とした「認定医療メディエーター」の養成研修を実施しています。

研修内容は、医療メディエーションの手法、コミュニケーションスキル、倫理的な問題など多岐に渡り、ロールプレイングなども含めた実践的な内容となっています。
研修修了後、協会への登録を行うことで、「認定医療メディエーター」として活動することができます。
研修期間や費用は協会のホームページなどで確認できますが、概ね2日間程度の集中講義と事前学習で構成され、費用は3~4万円程度です。
その他、地域によっては医師会や病院などが独自に開催する研修プログラムもあります。

必要なスキル・知識・経験

医療メディエーターとして成功するためには、様々なスキルや知識、経験が求められます。
まず、医療に関する基礎知識は不可欠です。
医療用語の理解や医療制度への知識は、患者や医療関係者とのコミュニケーションを円滑に進める上で役立ちます。

さらに、優れたコミュニケーション能力は必須です。
患者や医療関係者の話を丁寧に聞き、共感し、信頼関係を構築する能力が求められます。
また、紛争解決のための交渉スキルや、中立的な立場で問題点を分析し、解決策を導き出すためのファシリテーションスキルも重要です。

また、倫理観とプロ意識も不可欠です。
医療メディエーターは、常に中立の立場を保ち、秘密保持義務を遵守する必要があります。
看護師としての経験は、医療メディエーターとしての仕事に大きく役立ちます。
患者の気持ちに寄り添う能力や、医療現場の状況を理解する能力は、医療メディエーターとして活躍する上で大きな強みとなります。

医療メディエーターの将来性と活躍の場

医療現場における需要と将来性

医療現場における医療紛争は増加傾向にあり、医療メディエーターの需要は高まっています。
医療機関は、患者満足度向上や医療事故の予防、訴訟リスク軽減のため、医療メディエーターの配置に力を入れています。
医療制度改革や診療報酬改定も、医療メディエーターの役割をより重要にしています。

医療メディエーターの活躍できる場所・病院や介護施設など

医療メディエーターは、病院やクリニックなどの医療機関だけでなく、介護施設や福祉施設などでも活躍できます。
医療現場以外にも、医療関連企業や医療コンサルティング会社など、様々な場所で活躍の場が広がっています。

キャリアパスとスキルアップの可能性

医療メディエーターとしての経験は、看護師としてのキャリアアップにも繋がります。
医療現場でのコミュニケーション能力や問題解決能力を高めることで、リーダーシップや管理職へのステップアップにも役立ちます。
また、医療メディエーションの専門性を深めることで、専門性の高い医療メディエーターとして活躍することも可能です。

まとめ

本記事では、看護師のキャリアアップ選択肢として注目されている「医療メディエーター」について解説しました。
医療メディエーターは、患者と医療機関の橋渡し役として、円滑なコミュニケーションを支援する重要な役割を担っています。
医療メディエーターになるには、専門的な研修を受けることが必要ですが、看護師としての経験は大きな強みとなります。
医療現場での経験と、医療メディエーションのスキルを組み合わせることで、よりやりがいのある仕事に就くことができるでしょう。
医療メディエーターの需要は今後ますます高まることが予想され、看護師にとって魅力的なキャリアパスの一つと言えるでしょう。
医療現場における紛争解決に貢献したい、患者とより深く関わりたいと考えている看護師の方にとって、医療メディエーターは最適な選択肢の一つかもしれません。
ぜひ、自身のキャリアプランを考える上で、医療メディエーターという選択肢を検討してみてください。