求人票の読み解き方は学校で教わることはありません。
求人票を読み解くことは、快適な職場を見抜くポイントになります。
本記事では、求人票の読み解き方を様々な視点からご紹介します。
そもそも求人票って何?
ハローワークなどで見かける機会の多い求人票ですが、求人票は採用をしたいと考えている企業が仕事内容や労働条件などの諸条件をまとめている書類のことを指します。
求人票の形式は企業によっても異なりますが、職業安定法によって以下の内容を明示するように決められています。
- 労働者が従事すべき業務の内容
- 労働契約の期間
- 就業の場所
- 始業、終業の時刻、所定労働時間を
超える労働の有無、休憩時間及び休日 - 賃金の額
- 健康保険、厚生年金、
労働者災害補償保険及び
雇用保険の適用について
求人票で注視すべき項目とは?
各項目の意味
1~6の記載項目は全て大切なポイントなのですが、その中でもどこを特に注意して見るべきなのかをあらかじめ把握しておくと、好条件な職場なのかどうかを見極めやすくなります。
それぞれの項目で特に気をつけたいポイントをまとめました。
給与:本当の手取り額は?
求人票に書かれている「給与」は、税金や保険料が差し引かれる前の金額です。
職場によっては、手当などが基本給に上乗せされることもあるため注意が必要です。
よくあるのが、実際に給料日に口座を確認してみると、想像していたよりも額が数万円少なかったということです。
目安として、おおよそ記載されている給与額のうち、2割は税金や保険料で引かれるという認識で問題ありません。
雇用形態・雇用期間:試用期間中の扱いは?
雇用形態で注視したいのは、
「正社員」なのか、それ以外の
「契約社員」や「派遣社員」「パート」なのか
という点です。
それにより、雇用契約の期間が特に決まっていないのか、あるいは雇用期間が一定期間ごとに更新なのかが変わってきます。
もう一つ注意したいのは、試用期間です。
3~6ヶ月程度の職場のお試し期間ですが、試用期間中と本採用の待遇が同じなのかどうかは見ておきたいところです。
試用期間中は契約社員と同じ扱いだったり、給料が低かったりすることもあります。
労働契約法によると、労働者が同意していれば、試用期間中の待遇が違っていても法律違反ではありません。
ただし、試用期間中に給料が一切支払われなかったり、残業代が支払われなかったりする場合は違法です。
その場合は、厚生労働省の労働条件相談「ほっとライン」などに相談しましょう。
仕事内容:業務範囲はどこまで?
職種や仕事内容について記載されている部分ですが、一つ注意したいのが業務範囲です。
たとえば、視能訓練士として勤務するにしても、求人票によっては次のような記載の違いがあります。
- 手術に関する補助業務を含むか
- 受付業務などの周辺業務を含むか
不明な点があれば、面接の際に必ず確認しておきましょう。
勤務時間:残業時間や残業代もチェック
勤務時間の項目には、あらかじめ定められた就業時間や残業・時間外労働について書かれています。
特に注意したいのが、固定残業代(みなし残業)の制度です。
この場合、給与の額のなかには一定時間分までの残業代が含まれています。
たとえば、月20時間まではみなし残業に含む場合、20時間を超えた時点から別途、残業代が発生します。みなし残業制を採用している職場の場合は、労働時間を自分で把握しておきましょう。
なお、仮に月20時間までをみなし残業とする場合、残業時間がそれ以下の月であっても、減給されることはありません。
休日:完全週休2日と週休2日の違い
年間どれだけの休みを申請できるかを計算する際に、確認の必要がある項目が休日欄です。
特に、意味を間違えやすいのが「完全週休2日」と「週休2日」でしょう。
他の記事に詳しくまとめましたので、そちらを合わせて読むと理解が深まります。
保険・退職金:4つの保険は完備?
保険や退職金制度も気になるところです。退職金について求人票に書かれていない場合、次の2パターンが考えられます。
- 退職金は当たり前の制度だから、
記載していない=退職金は出る - 退職金制度がないので、
記載していない=退職金は出ない
そのため、もし記載がない場合は、面接時あるいは事前の電話やメールなどで確認しておくと安心です。
社会保険は、「雇用保険」「労災保険」「厚生年金保険」「健康保険」の4種類があります。社会保険については、別記事にくわしくまとめていますので、参考にしてください。
会社情報:HPも合わせて要チェック
最後に採用を行っている会社の事業内容や設立年数などを確認しましょう。
会社のホームページがある場合は、そちらも忘れずにチェックしておきたいところです。
最近だとSNSを運用している企業も増えており、社風や企業文化などを知りたい時の参考にするのもよいでしょう。
まとめ
たくさんの情報が詰まった求人票は、見慣れないうちはどのポイントを押さえればいいか迷ってしまいます。
大切なのは、求人票に書かれている内容をもとに、自分がその職場で働いている姿をイメージすることです。
気になる点があれば、ぜひ事前に確認しておきましょう。