眼科看護師の仕事内容とは?給料や求人情報、転職前の確認ポイントを解説!

  • インタビュー眼科看護師
NO IMAGE

「眼科看護師の仕事内容が気になっている」「眼科看護師に転職するにはどうすれば良いのか」とお悩みの方もいるでしょう。眼科看護師は特殊な業務が多く、視能訓練士や手術の有無によって役割も大きく変わります。

そこでこの記事では、眼科看護師の仕事内容や勤務するうえでのメリット、デメリット、向いている人の特徴などをまとめました。眼科看護師への理解を深める参考にしてください。

眼科で働く看護師の仕事内容・役割

眼科看護師の仕事内容は、職場に「視能訓練士」がいるかどうか、手術を行うかどうかで大きく異なります。ここでは、それぞれの状況別で眼科看護師の仕事内容をまとめました。

視能訓練士がいる職場の場合

視能訓練士が在籍している病院やクリニックの場合、眼科看護師は以下のような業務に携わります。

視能訓練士が足りている職場なら、視能訓練士が主な検査を行うため、眼科看護師は補助に回ることが多くなります。眼科は、検査や説明によって患者さんの待ち時間が長引きやすいようです。そのため、検査を迅速に進めるためのサポートが必要とされます。

視能訓練士がいない・足りない職場の場合

視能訓練士がいない、もしくは足りない職場では、眼科看護師が検査を行うのが一般的です。そのため、上記の仕事内容に加えて以下の業務も担当します。

眼科の検査は特別な資格を求められないため、看護師による対応が可能です。ただし、眼科で使用する機器については、取り扱い方を身につけなければなりません。視力は患者さんの日常生活に関わるので、検査や眼鏡・コンタクトレンズの処方を正確に行う必要があります。

手術を行う眼科の場合

眼科によっては、白内障や緑内障、網膜剥離、レーシックなどの手術に対応しているところもあります。手術を行う病院やクリニックでは、これまで解説した業務に、下記の内容が加わるでしょう。

眼科の手術は所要時間が短く、日帰りで完結するのが基本です。長時間手術に立ち会うことはほとんどありませんが、患者さんの不安を解消するケアや術後の介助は欠かせません。

眼科看護師の1日の業務スケジュール例

この項では、眼科看護師の1日のスケジュール例を紹介します。手術がないクリニックであれば、以下のような流れで1日を過ごすのが一般的です。

8:30出勤
8:40外来受付の準備。待合室・診察室の整備や設備の点検
9:00患者さんの受付や案内、検査および診察の補助
13:00昼休み
14:00患者さんの受付や案内、検査および診察の補助
17:30受付終了。片付けや備品の補充
18:30退勤

職場にもよりますが、眼科看護師の時間外労働は少なめの傾向にあります。駅からアクセスしやすい場所に位置していることも多く、働きやすい体制が整えられているでしょう。

眼科看護師の給料

眼科勤務の場合、看護師としては月給が低いかもしれません。厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概況」によると、看護師の平均給与は35万1,600円という結果です。これは一般的に病棟をはじめ夜勤ありの看護師も多いことから、夜勤手当によって高めの額になっている可能性も。クリニックは日勤のみになるケースが多く、病棟と比べるとやや下がることは否めません。
また、規模の小さな職場だとそもそも基本給が低かったり、賞与が少なめだったりする可能性もあります。

出典

厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概況」(2023年11月27日参照)

眼科看護師として働くメリット

眼科看護師として働くメリットには、プライベートを両立しやすい点や、未経験でも挑戦しやすい点などが挙げられます。それぞれの詳細をチェックしてみましょう。

夜勤が少なくプライベートを充実させられる

眼科は基本的に夜勤が少なく、手術がある場合も日帰りがほとんどです。時間外労働も少ないので、ワーク・ライフ・バランスを重視できるのが眼科看護師のメリットといえます。
また、完全週休2日制を導入しているところも多く、休診日で固定の曜日を休めるのも魅力です。比較的固定されたシフトで勤務できるのも、眼科看護師の魅力といえるでしょう。

業務におけるプレッシャーが少ない

眼科看護師の仕事内容は、ほかの診療科と比較すると緊急性が高くなく、人命に直結するといったプレッシャーから回避しやすい傾向にあります。患者さんの容態が急変するといったことも少なく、緊迫感による疲労を防ぐことが可能です。重労働が少ないことは、眼科看護師として働くメリットに挙げられるでしょう。

未経験でも挑戦しやすい

眼科での治療や各種検査はルーティン化されている職場も多いため、業務の基本的な流れを掴めば、未経験の方でも取り組みやすいといえます。これまでの看護経験で、覚えることの多さに負担を感じていた方は、眼科看護師の仕事ならスムーズに対応できる可能性もあるでしょう。

眼科看護師として働くデメリット

眼科看護師として働くデメリットには、ほかの看護経験を活かしにくいことや看護技術を保つのが難しいことなどがあります。以下では、転職する前に知っておきたいデメリットをまとめました。

ほかの看護経験を活かしにくい

眼科は視力検査や点眼の説明といった特有の業務が多く、ほかの診療科から眼科に移ったときに看護経験を活かしにくいのがデメリットです。たとえば、今まで介護施設や精神科、訪問看護などで勤務してきた方は、身につけてきた知識やスキルが役立つ場面は少ないかもしれません。

看護技術の維持が難しい

眼科看護師の仕事内容は高度な知識や技術が求められないため、ステップアップを考えている看護師さんによってはデメリットになりえます。手術を行わない職場の場合は、採血・注射・点滴をする機会も少ないので、一般的な看護技術の維持が難しいといえるでしょう。

眼科独自の勉強が必要になる

眼科の仕事は、慣れてくればスムーズにこなせるようになりますが、最初は眼科特有の検査機器の取り扱いや、治療方法について学ぶ必要があります。一定の看護経験を持つ方であっても、眼科未経験であれば一から新しいことを勉強する姿勢が求められるでしょう。人によっては、業務時間外に勉強時間をとらないと、覚えることが難しいケースもあるようです。

眼科看護師に向いている人の特徴

眼科看護師に向いている人は、コミュニケーション能力のある人や機器の操作に慣れている人、気配りや心配りができる人などの特徴があります。自分の強みや希望の働き方とマッチする場合は、眼科看護師としての道を検討してみるのも良いかもしれません。

コミュニケーション能力に自信がある

眼科看護師は、コミュニケーション能力に自信のある人に向いています。なぜなら、眼科では視力検査の方法や意味を伝え、正しい検査結果が出るよう患者さんをサポートすることが必要になるからです。ときには、検査にやる気のない人や神経質な患者さんを誘導する対応力も求められるでしょう。

他職種と連携して業務にあたれる

眼科では先述したように視能訓練士とともに働く職場もあるため、他職種と協力しながら働く必要があります。どのような立場の方とも上手く連携をとり、業務をスムーズにこなせる方は、眼科看護師に適しているでしょう。職場によっては「今まで視能訓練士は在籍していなかったが新しく入ってきた」「週に数回しか視能訓練士が勤務しない」というケースも。その場合も、自身の役割を判断して柔軟に働くことが求められます。

医療機器の操作に抵抗がない

眼科看護師は、各種検査用の機器やパソコンを使った業務が多いため、あらゆる機器の操作に抵抗がない人に向いています。眼科でしか使用しない機器もあるので、何のためにどのように扱うのかを理解できる場合は、眼科看護師として業務に携わりやすいでしょう。反対に、機器の操作に苦手意識のある方は、仕事内容が合わず苦痛に感じられる可能性もあります。

気配りや心配りができる

気配り上手な人は、眼科看護師として歓迎されやすいでしょう。患者さんが快適に順番待ちできるよう案内したり、丁寧に状況を説明したりと、ちょっとした気配りがスムーズな診療につながります。視覚障害のある方には移動や措置をする際に細やかな声掛けをし、相手を安心させるような気配りをすることが重要です。

子育てと両立したい

眼科看護師の仕事はクリニックや病院の外来など日勤がメインで、残業も発生しにくい傾向にあります。そのため、仕事と子育てを両立したい方に向いているといえるでしょう。業務において身体的な負担も比較的少ないので、メリハリをつけて勤務することが可能です。

眼科看護師としてさらにキャリアアップするには

眼科看護師は、スキルアップの方法がほかの診療科とやや異なります。眼科看護師として専門知識を伸ばしたいのであれば、眼科メディカルスタッフ講習会に参加したり、視能訓練士の資格を取得したりするのがおすすめです。

眼科メディカルスタッフ講習会を受ける

眼科看護師として専門知識を身につけるには、「眼科メディカルスタッフ講習会(旧:眼科コメディカル講習会)」に参加する方法があります。講習会では眼科のスタッフとして働くための責務・接遇・マナー、眼疾患の基礎、各種検査に必要な知識など、幅広い分野の解説を聞くことが可能です。何らかの資格を得られるものではありませんが、眼科看護師として活躍するうえで必要な知識や能力の向上につなげられます。

視能訓練士の資格取得をする

眼科看護師がキャリアアップを図るなら、「視能訓練士」の資格取得がおすすめです。視能訓練士は国家資格であり、取得すれば眼科のスペシャリストとして業務に携われるようになります。
視能訓練士の資格を得るには、養成施設へ入学して専門的な知識や技能を修得し、国家試験に合格することが必要です。視能訓練士の合格率は90%に近いと言われていますが、それは受験者が教育機関での勉強や努力を欠かさなかった結果といえます。視能訓練士の資格取得を目指すのであれば、計画的に勉学へ取り組む必要があるでしょう。

出典

厚生労働省「視能訓練士国家試験の施行」(2023年11月27日参照)
厚生労働省「第53回視能訓練士国家試験の合格発表について」(2023年11月27日参照)

眼科看護師に転職するときの注意点

眼科看護師の求人数は、時期や地域によって少ない場合があります。しかし、職場選びは妥協せず、丁寧に検討するのが長く働くためのポイントです。以下で眼科へ転職する際の注意点をご確認ください。

求人数が少ない点に注意

眼科看護師は、求人数が少ない可能性があります。眼科は小規模のクリニックが多いため、看護師の募集があったとしても採用人数が1名や若干名に留まることが大半です。地域や時期によっては、求人が見つけにくい場合もあります。
最近では、ビルのテナントや駅併設の施設に新規開院することもあるため、こまめに求人情報をチェックすることが重要です。

視能訓練士の在籍や手術の有無を確認

先述のとおり、眼科看護師の仕事内容は視能訓練士や手術の有無によって大きく変化します。自分に合った求人を見極めるには、職員の構成や手術の実施状況に着目しましょう。
求人票だけでなく、病院やクリニックのWebサイトも確認しておくと、職場に対する理解を深められます。初めて眼科看護師に挑戦するという方は、未経験者がOKもしくは歓迎しているか、教育体制が整っているかといった点をチェックするのも大切です。

眼科看護師に関するよくある質問

ここでは、眼科看護師に関する質問をQ&A形式で回答していきます。

眼科看護師の仕事がつらいというのは本当ですか?

人によっては、眼科特有の仕事内容やルーティンワークが合わないと感じるかもしれません。業務が合わないことで、「つらい」と思う人もいるでしょう。この記事の「眼科で働く看護師の仕事内容・役割」の内容を参考に、自分が眼科看護師として活躍していけるかを見極めることが大切です。

眼科看護師の求人数は多いですか?

この記事の「求人数が少ない点に注意」でもお伝えしているように、眼科は一般的な病院と比べると看護師の人数が少ないことから、求人数も少ないといえます。さらにその中でも、即戦力を求められる眼科の場合、経験者が優遇される職場もあるでしょう。応募条件を十分にチェックしてから転職を検討してください。

眼科看護師は新卒でも勤務できますか?

眼科は新卒でも働くことは可能です。もともと眼科の分野に興味があった方には、適しているでしょう。しかし、身につけられる技術が限られているので、幅広く多くの看護経験を積みたいのであれば、内科や外科など別の科を選ぶ方が無難といえます。

まとめ

眼科看護師は、医師の補助や患者さんへの説明、器具の洗浄などが主な仕事です。視能訓練士がいない病院やクリニックでは、各種検査や眼鏡・コンタクトレンズの処方も看護師が担います。また、手術を行う職場では、手術の準備や術前術後の患者さんのケアを行うことが重要です。

手術は日帰りで行われ、夜勤の機会もほとんどないため、眼科で働く看護師はワーク・ライフ・バランスを整えられます。緊急の対応も少ないので、業務のプレッシャーが少ないことは眼科看護師のメリットといえるでしょう。

正しい検査結果を導くため、患者さんに寄り添ったサポートができる人に向いている仕事です。ただし、眼科看護師の求人は少ない傾向にあるため、日ごろからこまめなチェックが求められます。

「眼科看護師として働きたいけど、自分に合った求人を見つける方法が分からない」という方は、メドキャリアにご相談ください。メドキャリアでは充実した情報を基に、経験やキャリアプランに沿った求人を紹介することが可能です。

「初めての転職で不安」という方も、業界に詳しいプロのアドバイザーが、面接日の調整や条件交渉、選考対策など幅広くサポートするのでご安心ください。