視能訓練士のボーナス(年間賞与)事情をまとめて解説

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視能訓練士のボーナス(年間賞与)事情をまとめて解説

会社勤めしている方であれば、誰しもが気になり待ち遠しい「ボーナス(年間賞与)」。この記事では、視能訓練士のボーナス(年間賞与)に話を絞って解説したいと思います。

新型コロナウイルスが蔓延した2021年は、眼科やクリニックでも業績に大きな影響があったのではないでしょうか。そんな事情もあり、一喜一憂した視能訓練士の方やこれから目指される方へボーナス(年間賞与)事情をお伝えします。

最も多いボーナスの相場は基本給の3〜4ヶ月分

多くの眼科やクリニック様の求人を取り扱う『眼科ワーク』では、独自に皆さん(各眼科やクリニック)ぶっちゃけどれくらいのボーナス(年間賞与)を出していますか? と質問をして調査をいたしました。

調査の結果、いただいた回答を「基本給の何ヶ月分か」で分類してみたところ、上の棒グラフのようになりました。結論から先に申し上げますと、一番多かったゾーンは「基本給の3〜4ヶ月分をボーナスとして支給する」と回答したところです。

次に多いのが「基本給の2〜3ヶ月分」、三番目に多いのが「基本給の4ヶ月分」と答えた眼科・クリニック様でした。

ちなみに、視能訓練士の賃金形態では「基本賃金(基本給)」に加えて、いくつかの手当が含まれて給与として支給されるのが一般的です。例えば、ある眼科病院では「基本給 = 185,500円(月)」に対して、「職務手当 = 30,000円(月)」「住宅手当 = 20,000円(月)」「手術立会手当 = 2,500円(日)」が上乗せされるかたちとなっています。

平均給与から換算するとボーナスは約100万円??

では、視能訓練士の平均給与はどれくらいなのでしょうか。平均給与が分かれば、おおよそのボーナス(年間賞与)額のラインが見えてきます。

上記の棒グラフは2020年度の「視能訓練士実態調査報告書」に記載されている勤務先別の視能訓練士の給与額(年間)です。ここから、平均額を出すと約378.5万円になります。つまり、12ヶ月で割ると月収(給与)は31.5万円ということになります。

ここから基本給を算出するわけですが、仮に給与の75%が基本給と仮定するならばひと月の平均の基本給は23万6,250円になります。

先ほど、視能訓練士のボーナス(年間賞与)は、基本給の3〜4ヶ月分のラインがもっとも多いという話でしたので、単純計算をすると……「23万6,250円 × 3〜4ヶ月 = 70.9万円〜94.5万円」ということになります。

この数字を見て思うのは、少し実態とはかけ離れている可能性があるな、ということ。確かに、勤務先の病院・クリニックの経営状況に左右されますので年に100万円ほどもらっている可能性も否定はできませんが、別途、ネットで検索してみた結果、だいたい”年50万円前後”が相場なのではないか?と思います。

ただし、この”年50万円前後”という数字も根拠はなく、そのような情報を掲載しているWebサイトがいくつか散見された……という程度でしかありません。

冒頭でも触れましたが、現在進行系(記事は21年04月13日編集)で新型コロナウイルスの感染拡大が続いていますので、視能訓練士のボーナス(年間賞与)は今後の病院経営に正直左右される度合いが大きいのではと考えられますね。

※ 参考元:日本視能訓練士協会『視能訓練士実態調査報告書2020年』

支給されるのは年2回(夏冬)が多い

ちなみに、小さな補足情報ですが、『眼科ワーク』が調べた情報によると、ボーナス(年間賞与)は夏冬の年2回支給されるケースが多いようです。これは医療業界以外の会社勤めされている方と、ほぼ同じなのではないでしょうか。

【注意】ボーナス(年間賞与)は必ず支払われるわけではない

そもそも論ではありますが、本来、ボーナス(年間賞与)を企業側つまり眼科病院やクリニックが社員に支払わなければならないという法律はありません。

あくまで、被雇用者つまり記事でいう視能訓練士に対して、「恩給」の意味しか持っておらず、ボーナス(年間賞与)を支払うかどうかは、雇用者の裁量によるのです。

ですから、ボーナス(年間賞与)に期待して就職・転職を決定するのは少しナンセンスと言えるでしょう。

特に、昨今の新型コロナウイルスの感染が拡大している最中では、お勤め先の眼科病院やクリニック側にボーナスの支払いを望むのは難しいケースもありました。本来的な意味からすれば、「ボーナスもらえてラッキー!」くらいに捉えるようにしておきましょう。