眼科クリニックでは、医師・コメディカルスタッフ・医療事務とさまざまな職種の人が一緒に働いています。
どうすれば患者さんやスタッフにとって働きやすい職場作りができるのでしょうか。
今回は、スタッフ間の垣根を越えた良好な関係の築き方について、筆者の経験を交えながらお伝えしていきます。
この記事を書いた人
- 医療事務ライター
- 40代 女性
- 医療事務歴 12年
- 眼科医療事務歴 5年
眼科における医療事務の役割とは

人間関係がギクシャクしているクリニックでは、スタッフ間の連携が取れずに、患者さんの満足度が下がる原因にもなりかねません。
眼科における医療事務の役割について、改めて考えたことはありますか?
眼科では窓口対応や会計、レセプト業務と他の診療科と変わりない業務のほか、患者さんの誘導案内も医療事務の重要な役割です。
「病気かもしれない」という不安を抱えた方や、すでに五感の一つである視覚が大きく損なわれた状態の方が来院されます。
良い雰囲気作りができている眼科であれば、自然と医療事務とコメディカルスタッフが協力して、患者さんにリラックスしてもらいながら検査や処置へと誘導できます。
眼科の医療事務が持つ悩み

医師を始め、看護師・視能訓練士がいる眼科では、他の診療科とは少し異なる人間関係が存在します。
実際に筆者が体験した、眼科の医療事務の人間関係の悩みについてご紹介しましょう。
職種が異なるスタッフとコミュニケーションを取りづらい
眼科では、同じ医療事務以外にもコメディカルスタッフが常勤しており、コミュニケーションの取りづらさが課題です。
難しそうな検査や採血などをテキパキとこなし、専門用語を使う看護師や視能訓練士は、医療事務から見ると「常に忙しそう」です。
医療事務は開院前の掃除などがあり、勤務開始時間が微妙に異なることもあって、更衣室でもなかなか話す機会がありません。
強い言葉を投げかけるコメディカルスタッフに対しては、コミュニケーションを取りづらく感じていました。
患者さんからのクレーム対応
受付窓口にいる医療事務は、どんな診療科でも患者さんとの距離が一番近いので、クレーム対応も求められます。
コメディカルスタッフや医師に対するクレームであっても対応しなければなりません。
「私が悪いわけではないのに…」と感じてしまったり、クレーム対象のスタッフから気遣いがなかったりすると、不満が溜まることもあります。
忙し過ぎて雰囲気が悪くなる
日頃からスタッフ間のコミュニケーションが取れている職場では、忙しくてもお互いにフォローし合えればテキパキ動けます。
眼科は春先の花粉症の季節や学校の検診後など、忙しい時期がとてもはっきりしている診療科です。
忙しくなるのに人が足りていない、患者さんが多くなるのがわかっていても準備や対応ができていないと、どうしても院内の雰囲気が悪くなります。
眼科スタッフの接遇品質が低下して、患者さんのストレスが増えてしまうという悪循環に陥らないよう、忙しい時こそお互いのフォローが大切です。
眼科の医療事務が職場で良い人間関係を築くコツ

眼科において医療事務が医師やコメディカルスタッフと良好な関係を築くために、筆者自身が心がけて実践していることを紹介します。
明るく元気に接しよう
患者さんへはもちろん、スタッフ間でもコミュニケーションを取る時には、明るく元気に接するのが一番です。
特に、忙しい時期や自分自身がイライラしていると感じている時ほど、他のスタッフへの言葉遣いに注意が必要です。
患者さんへは頑張って明るく元気に接している分、スタッフとの受け答えがぞんざいになると、相手にも必ず伝わってしまいます。
職場の雰囲気を自分自身で壊さないように、明るく元気に業務につきたいですね。
職場での陰口は雰囲気を悪くする
残念ながら女性スタッフが多い職場であるクリニックでは、陰口や悪口がつきものです。
誰かが陰口を言っているからといって、つられないように注意しながら働きましょう。
たとえ正しいことであっても、陰で悪口にしてしまうとその場の雰囲気が一気に悪くなってしまいます。
忙しくて不満が溜まるとどうしても誰かに愚痴を言いたくなるものですが、家族や友人など職場のスタッフ以外の場所で吐き出せるといいですね。
挨拶とお礼の重要性
「おはようございます」「お疲れ様です」「お先に失礼します」などの挨拶が元気な声で飛び交う眼科は、スタッフも働きやすいと感じているはずです。
また、「さっきはどうもありがとう」「忙しくて聞こえてなかった、ごめんなさい」など、相手を気遣う言葉もとても重要だと感じます。
特に、お礼の言葉は素直に出てきても、自分のミスを相手に謝るは難しいものです。
コメディカルスタッフと医療事務は、職種は違っても、患者さんに良質な医療を受けてもらいたいという思いは同じはずです。
まずはお互いを労わる挨拶から始まって、声を掛け合いながら業務につけると院内の雰囲気もがらりと変わります。
情報を共有しよう
来院された患者さんとファーストコンタクトを取るのは、受付の医療事務です。
筆者自身、患者さんの主訴を的確にとらえてコメディカルスタッフへ伝え、スムーズに誘導や検査に入れたと感謝されたことがありました。
例えば「左耳が少し聞こえづらいとのことです」「散瞳中に特に眩しさを感じやすいと言われています」など、たいしたことではないと勝手に判断せずに伝えるようにしたところ、とても助かったとお礼を言われました。
職種の垣根を越えた関係を築いておくと、患者さんへの接遇の向上や満足度にも繋がると考えます。
まとめ
どんな人でも働きやすい環境を求めているはずです。
眼科のスタッフの中で最も人数が多い医療事務は、院内の雰囲気に大きく関わっていると言えるでしょう。
だからこそ、積極的に良好な人間関係を築くことが、クリニック全体へ貢献できると考えます。
スタッフ間の意思疎通が図れている眼科は、患者さんからも通いやすいと感じてもらえることでしょう。