大学病院とクリニックで働き方違う?視能訓練士のクリニックでの働き方

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大学病院とクリニックで働き方違う?視能訓練士のクリニックでの働き方

視能訓練士が働く場所は、大きく分けて病院とクリニックの二通りの場所があります。

病院とは大学病院や総合病院のことで、クリニックは個人眼科のことです。

それぞれの働き方には特徴的な違いがあります。

先輩視能訓練士

今回の記事では大学病院勤務とクリニック勤務の両方の勤務経験がある私が、クリニックでの1日のスケジュールをご紹介します。

また、クリニック勤務のメリットやデメリットについても詳しく解説しています。

クリニックに転職しようか検討中の方は、ぜひ参考にしてくださいね。

視能訓練士が働く
【大学病院とクリニックの違い】

違い

先輩視能訓練士

大学病院とクリニックの働き方の違いについてご紹介します。

大学病院とクリニックは、規模はもちろんのこと勤務時間や業務内容、来院する患者さんのタイプ
など多くの点で異なります。

大学病院クリニック
出勤時間8:00~8:00~10:00
退勤時間17:00~18:0017:00~20:00
特徴・他科と連携をとれるため重症例が多い
・紹介状で来院する患者さんが多い
・検査機器が豊富
・ものもらいから硝子体手術まで対応
(クリニックによる)
・必要に応じて大学病院へ紹介状を出す
・検査機器の充実さはクリニックによる
仕事内容・外来業務
・研究、論文の作成
・学会発表
・カンファレンスの出席
・外来業務
・手術の介助
・受付や掃除など視能訓練士以外の仕事も
給与(新卒)大学病院A:22万6000円
大学病院B:21万円
クリニックA:21万円
クリニックB:25万円

大学病院の仕事

出勤時間8:00~
退勤時間17:00~18:00
特徴・他科と連携をとれるため重症例が多い
・紹介状で来院する患者さんが多い
・検査機器が豊富
仕事内容・外来業務
・研究、論文の作成
・学会発表
・カンファレンスの出席
給与(新卒)大学病院A:22万6000円
大学病院B:21万円

大学病院は診療時間が8:00~の施設が多く、必然的に出勤時間はかなり早いですね。

各分野で専門の医師が集結しているため、視能訓練士が一緒になって研究し、学会発表など行うことも視野に入ってきます。

外来では各総合病院やクリニックから紹介状を出された重症、難治性の患者さんが多く来院するので、検査の技術はどんどん上達していくでしょう。

先輩視能訓練士

診療時間が終わったあとに勉強会や研究を行なうことを考えると、労働時間に対しての給与はやや低いかもしれません。

なお病院は大規模な施設で従業員が多いため、掃除や白衣のクリーニングはその業務専門の方が別で雇われています。

クリニックの仕事

出勤時間8:00~10:00
退勤時間17:00~20:00
特徴・ものもらいから硝子体手術まで対応
(クリニックによる)
・必要に応じて大学病院へ紹介状を出す
・検査機器の充実さはクリニックによる
仕事内容・外来業務
・手術の介助
・受付や掃除など視能訓練士以外の仕事も
給与(新卒)クリニックA:21万円
クリニックB:25万円

クリニックは経営規模によって、勤務時間や業務内容にかなりの差があります。

視能訓練士が0~1人の小規模なクリニックもあれば、10人ほども在籍する硝子体手術も行う施設もあるほどです。

業務内容も受付を兼任して掃除雑務を請け負ったり手術の助手に入ったりと幅広いのも特徴です。

先輩視能訓練士

就職活動をする際には求められる範囲をしっかり確認しましょう。

給与もクリニックの規模に応じて差があり、患者数が多く手術も頻繁に行なっているクリニックでは大学病院より高いことが多いようです。

視能訓練士がクリニックで働くメリットとデメリット

違い

病院勤務とクリニック勤務においても、どちらもメリットとデメリットがあります。

以下ではクリニック勤務のメリットとデメリットについてご紹介します。

クリニックのメリット

クリニックで働くメリット

クリニックでは1人の患者様と向き合う時間が長いため、接遇や対人スキルが身につきます。

また、並行して受付や診察介助の業務を行うため、広い範囲の業務をカバーするマルチタスクのスキルもアップします。

クリニックで働く最大のメリットは、プライベートな時間まで勉強や研究、学会発表などに時間を取られない点です。

病院勤務に比べると、リラックスして働くことが可能と言えます。

先輩視能訓練士

クリニック勤務は仕事と家事や育児と両立させたい方にとって、大きなメリットですね!

クリニックのデメリット

クリニックで働くデメリット

クリニックで働くデメリットは、大学病院に比べて症例数や検査数が少ないため、なかなかスキルアップしにくい可能性があることです。

クリニックの予算によっては最新の機器を導入できなかったり、知識や経験が偏りがちになることもあるでしょう。

施設のスペースも限りがあることから、人間関係がギスギスしていると、居心地のいい場所を探すのに苦労するかもしれません。

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たくさん経験したい人は大規模なクリニック、のんびり働きたい人は小規模なクリニックを選ぶといいでしょう。

クリニック勤務の満足度は人間関係?

クリニックで働く際に注意したいのが、職場の雰囲気です。

クリニックによっては小規模な施設もあるため、働く人数が限られています。

働いている人の数が少ないからこそ、職場の雰囲気が自分に合うかの見極めはとても大切です。

面接は基本的には院長が行うことが多いですが、面接の前に見学の希望を申し出ることをおすすめします。

先輩視能訓練士

自分に合わないなと感じた場合は、勇気をもって失礼のないようにお断りするのもひとつの方法です。

クリニックで働く視能訓練士のとある1日

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今回は、私がクリニックで勤務していたときの働き方を具体的にご紹介します。

私が勤務していたクリニックは、1日の患者数は約80人ほどの比較的小規模なクリニックです。

手術も行っていましたが、視能訓練士は私一人でした。

7:00

起床

近所の眼科へ自転車通勤

8:30

業務開始

機械の電源を
入れながら掃除、カルテ出しを行う。

9:00

午前の診療開始

1人ずつ検査し、診察へ回す。

全体の様子を見て診察の介助や
受付業務を手伝いながら、
コンタクトの在庫管理を並行して行う。

12:00

お昼休憩

一度家に帰り、家事をしたり
お昼寝をすることもあります。
この時間に医薬品メーカー主催の
勉強会が行われる日もあります。

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午後の診療までの間スタッフは休憩、医師は往診に行くこともあります。

14:30

午後の診察開始

初めてコンタクトレンズを使用する
患者様への指導や、メガネ処方などは
1人の患者様と長い時間向き合う。

19:00

受付終了

多少残業して検査をすることもあるが、
交代で帰らせてもらえることが多い。

19:30

帰宅

夕食、入浴などフリータイム

23:00

就寝

クリニックで働く際の1日の働き方は気になるポイントですよね。

働くクリニックによっては、お昼の長い休憩時間もリラックスできるように休憩室が準備されているところもあります。

施設によっては、お昼の時間に手術室の準備などをシフト制で行い17時頃に終業するパターンもあります。

【まとめ】病院勤務とクリニック勤務の違い

病院勤務とクリニック勤務でもそれぞれ多種多様な経験を積むことができます。

視能訓練士は、さまざまな働き方の選択ができる職種です。

病院とクリニックでは勤務時間や仕事内容に違いがありますが、視能訓練士の資格を活かし続けて
働ける
ことに間違いはありません。

クリニックでの勤務ではひとりの患者様と向き合う時間が増え、検査以外の業務を行う必要があるなどの特徴があります。

また、長いお昼休憩の過ごし方などは今回の記事でご紹介させていただいた1日のクリニックでの働き方を参考にしてくださいね。

先輩視能訓練士

自分のライフスタイルの変化に合わせた勤務先へ転職できるのも視能訓練士の長所と言えるでしょう!